海外展開への挑戦！木谷のエトセトラ: 2024.09.10

レストランを超えた革新と愛情が表現された場所

軍人から世界の超一流シェフになったThierry Marxの教え

京都へんこのごま屋の木谷です(*^^*)

パリで仕事をしていると、ハイエンドな製品を売るなら
勉強になるという事で、Thierry Marxシェフが新規オープンさせた
Onorへ営業を兼ねてお客様に連れて行ってもらいました。

Thierry Marxはかつてパリの高級ホテル、
マンダリン・オリエンタル・パリの総料理長でした。
当時彼は10年にわたり月に1回の頻度で受刑者に料理を教えていました。
強盗や殺人の罪で捕まった彼らが10～20年後に出所するとき、
社会復帰の一助となればと願ってのことでした。

彼は雑誌でこのように語っています。
「チャリティー・ビジネスをしているのではありません。
休みの日に市民としてすべき行動をしているだけです。」

Thierry Marxは料理人になる前は軍人として激戦地に赴任するなど、
異色の経歴の持ち主です。

貧困地区で柔道を心の支えに育ちました。

Onorはパリ 8 区のかつてLe Maréeだった場所で、
Thierry Marxがキャリアをスタートさせたところです。
彼の大切にしているものすべてに敬意を表する場所で、
知識の伝達や自然、人、食材、生産者への深い敬意、
さらには料理の革新への愛情が込められています。

椅子は海から回収されたプラスチックで作られており、
テーブルにはテーブルクロスは使用されておらず、再生革が使用されています。

トンボは、止まっても決して後退せずに前進するのみ、
というThierry Marxのする剣道の精神を表現しています。

彼の右腕であり、マンダリン・オリエンタルで長年共に働いたonorの
エグゼクティブ・シェフのRicardo silvaと社会と環境への影響をこれまで以上に尊重した、
明日のガストロノミーのビジョンを提供しています。
地下のラボで研究が重ねられています。

カナッペ盛り合わせ

アミューズブッシュ
大豆のリゾット

前菜は鯛の花びらを柑橘類とだしでマリネしたもの。

メインは鴨のロースト。

このレストランは彼が2012年に創立したCuisine Mode d’Emploi(s)学校と提携し、
社会的連帯プロジェクトを行っています。
この学校は、ニートの若者や長期失業者などが無料で料理や製パン、
給仕作法を学んでいます。
11週間という短期間で、国やプロフェッショナル・セクターに認められた
資格を取得することができます。
創立から7年たった現在、この学校はフランス全土で8校を構えるまで成長しました。

無料で教える代わりに、
「やりたいことがはっきりしていて、その目標に向けて努力する覚悟がある人」
しか受け入れません。研修希望者の面接では必ず次のような質問をします。
「あなたの過去には一切関心がありません。
あなたがどんなに運が悪かったかは知りたくありません。
今あなたがしたいことを教えてください。」
研修期間中は遅刻も欠席も許されません。違反したら退学になります。
ここで手本としているのが、日本の「シツケ」だそうです。
これまでこの学校で研修を終えた3000人のうち、
94％が就職・再就職を果たし、70人が起業しています。

彼は若い才能に自己表現の機会を与えるために新しいレストランを作ります。
Onorでは、20％の学校出身者が働き、新たな才能を生み出すまさに踏み台となっています。
ここで働く従業員は土曜日と日曜日の週休2日制により、
私生活と家庭生活を充実させています。

当日はThierry Marxは不在だったので、ごま製品を他の料理人さんに紹介しました。
するとThierry Marxが勧めるであろう
パリ市内の5つ星ホテルのレストランへ是非紹介してあげて。
とちょうど五輪で需要が減っていたシーズンも重なり、
リストしてもらったホテル全てへ商品を紹介することができました。

ここへ連れてきてもらった意味を噛みしめながら、
世のため人のためになる仕事ができるようにがんばります。

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