- 今日(京)のおばんざいなぁに
- 2021.09.08
栗ときのこのおこわ
今年も、三分の二が過ぎて
九月となりました。
まだ日中は厳しい暑さですが、
朝夕はひんやりした空気が感じられる今日この頃です。
九月の和名は、長月。
「夜長月」を略したもの、と言われています。
だんだんと日が短くなり、夜が長くなってきて、
この月名が実感できます。
ほかにも、九月の異名は、
彩月、稲熟月、寝覚月、詠月、玄月など色々あります。
季節のうつろいや自然から感じられる名前のよう。
菊月も、九月の異名の一つです。
そして
九月九日は「菊の節句」こと「重陽の節句」
「重陽の節句」は、五節句の一つですが、
三月三日の「上巳(桃)の節句」、五月五日の「端午の節句」、
七月七日の「七夕の節句」ほど有名ではなく、
知らないうちに過ぎていた、ということも多いのではないでしょうか。
五節句の中のもう一つ、一月七日の「人日の節句」は、
七草粥をいただく日として近年だんだん認知度が高まっていますが、
重陽の節句は、何の日なのか? 行事食はあるのか?
あまり知られていないようです。
かつて中国では、奇数は縁起の良い「陽」の数字とされ、
一番大きい奇数「9」が重なる9月9日は大変おめでたい日!
とされていました。
「重陽の節句」に長寿と無病息災を願うという中国の習わしが
日本に伝わり、平安期頃から宮中では、菊酒を飲みかわし、
観菊の宴が催されていたようです。
農作物の収穫の時期なので、
庶民の間では「栗の節句」と呼ばれて、栗ご飯で
お祝いをされていた とも言われています。
きょうは、初秋らしく 栗ときのこを使ったおこわを
紹介いたします。
お菓子のイメージが強い栗ですが、とても栄養豊富!
栗の実は、ナッツの一種なのですが、脂質が少なく、
たんぱく質やビタミン類、ミネラルや食物繊維が豊富、
滋養にとんだ食材です。
おこわにすると、もちもち食感のご飯に、ほくほくして
ほの甘い栗と、風味のいい旨みたっぷりのきのこがよく合い、
とまらない美味しさです。
エキストラバージンごま油を入れて炊くことで、
つややかでふっくらと炊き上がります。
本来のおこわは蒸して作りますが、
炊飯器で簡単手軽に作りました。
冷めても美味しいので、お弁当にもぴったり!
季節感ただよう一品、是非作ってみて下さい。
栗ときのこのおこわ
【材料】(約4人分)
もち米 2合
栗水煮 8~10コ
干しいたけ 2~3枚
干しいたけの戻し汁 適宜
しめじ 1パック
舞茸 1パック
A【うす口醤油・酒・みりん 各大さじ1、塩 小さじ1/2強】
エキストラバージンごま油 大さじ1
【作り方】
1.もち米は、洗って、多めの水に1時間ほど浸けておく。
2.干しいたけは水につけて戻し、細切りにする。
しめじと舞茸はほぐしておく。
3.1の水気を切って炊飯器に入れ、しいたけの戻し汁と
Aを合わせて入れ、水を足して2合分の水加減にする。
(2合の目盛りより、やや少なめ)
4.半切にした栗と2をお米の上にのせて、エキストラバージン
ごま油を回しかけて、炊飯器で炊く。
5.お好みですだちを添えてどうぞ。
※ 栗は水煮を使いましたが、もちろん、生でもOK。
甘露煮を使う場合は、甘露煮汁から出して半分に切り、
水にしばらく浸けて、甘みを少し抜いてから使ってください。