- 今日(京)のおばんざいなぁに
- 2024.03.19
黒米と黒ごまのぼた餅
春のお彼岸の時節となりました。
今年の春彼岸は、3月17日から23日まで、
中日の春分の日をはさんだ7日間です。
お彼岸には、お墓参りをしたり、また
仏壇やその周辺を掃除してととのえたりし、
お花や、果物、精進料理、お菓子や亡くなった方の好物を
お供えされることと思います。
お彼岸にお供えするお菓子といえば、たいてい
ぼた餅(おはぎ)ではないでしょうか。
(春彼岸は、春の花、牡丹に見立てて「牡丹餅(ぼたもち)」
秋彼岸は、秋の花、萩に見立てて「お萩(おはぎ)」という
のが通説のようですが、他にも諸説あるようです…)
この時季、百貨店も和菓子店も、身近なスーパーでも、
ぼた餅が存在感を放っています。
もちろん、買ってきてお供えしてもいいのですが、
ぼた餅は比較的作りやすい和菓子。
手づくりして、お供えしてはいかがでしょう。
ぼた餅はシンプルで、お餅とあんこ。
お餅部分は、一般的には、もち米を(粗く)つぶしたもの。
あんこは、小豆の粒あんかこしあん。
周りにきなこやすりごまをまぶしたものもあります。
冷めたときにかたくなりにくいよう、もち米にうるち米を混ぜたり、
また、プチプチっとした歯ごたえが魅力の道明寺粉を使ったり、
粟や麦、豆等混ぜた食感や風味が豊かな雑穀米で作ったり、
変わり種では、里芋を混ぜたり、最近ではオートミールを混ぜたり…
お餅の方は、いろいろバリエーションがあります。
あんの方は、小豆あんのほかに、
白あん、抹茶あん、桜あん等など、いろいろな種類のあんがあり、
こちらもバリエーション豊富。
近頃は、写真に撮ると見栄えがするようにと、
彩り鮮やかなあんを使ったり、
あんを花のように美しく絞り出したり…
と装飾的ぼた餅も現れ、人気のようです。
きょうご紹介するのは、お餅部分がもち米+黒米+黒ごま。
ほんの少し混ぜた黒米で、お赤飯のような赤(紫)色になり
黒ごまが入って、食欲をそそる香ばしさが加わります。
黒米は、古代米の一種で、ミネラルや食物繊維がたっぷりの
栄養価の高いお米。
弥生時代に中国から日本に伝来したものの、
栽培が難しくて、近代では栽培量が減っていたそうですが、
ここ数年、栄養価が注目されて普及してきました。
古くは中国で、縁起がよいと宮廷料理で使われたり、
かの楊貴妃も食べていた、と言われているそうで、
アンチエンジング効果等も期待できるとか。
ブレンドされた雑穀米には、黒米が入っているものが多いですし、
黒米だけを、手軽に入手することもできます。
左から、普通のうるち米、もち米、黒米
お米1合に黒米を大さじほど入れると、濃い赤ワインのような
色になりますが、この色は抗酸化作用のあるアントシアニン。
黒米を加えることで、風合いのある色に炊き上がり、そして、
栄養価もアップします!
あんの方は、普通の小豆つぶあんと、白あん、
2種つくってみました。
小豆餡の方は、同系の色がシックで大人のぼた餅、という感じ。
白あんには、白ごまねりねりを加えて、香ばしくて風味豊か。
やわらかな生成りの色に黒米ごはんの色が際立ちます。
味わい深い黒米と黒ごまのぼた餅、是非作ってみてください。
黒米と黒ごまのぼた餅
【材料】(8~10個分)
・もち米 1合
・黒米 大さじ1
・水 1カップ
・黒炒りごま 大さじ2
・塩 1つまみ
・白あん 約 100g
・白ごまねりねり(白練りごま) 大さじ1
・小豆(粒)あん 100g強
【作り方】
①もち米と黒米は水に浸けておく(1~2時間) 。ふんわりラップをかけて電子レンジ(550W)で5分加熱する。上下を返して混ぜ、さらに3分加熱し、5分ほど蒸らしておく。
②すりこぎやめん棒などでかるくついてつぶす。粗くすった黒ごまと塩を加え混ぜる。
③白あんに白ごまねりねりを加えてまんべんなく混ぜる。4~5等分して丸く球状に丸める。②の餅生地の約2/3を4~5等分して軽く丸めてから平たくして白あんを包み込む。
④②の残りの餅生地を4~5等分して丸く球状に丸めて、4~5等分した小豆あんを丸めてから平たくして包み込む。
※黒米の量によって、色の濃さが変わります。やや薄い色にしたい場合は小さじ2くらい、もっと淡い色にしたいときは小さじ1くらい。お好みで調整してください。
※黒ごまは軽く炒ってから粗く半分ほどすって使うと、香ばしく、食感に変化が出るのでお勧めですが、お好みで、炒りごまだけ、あるいは、すりごまだけを使ってもOK!
※あんや餅生地を丸めたり平たくしたりするのは、ラップを使うと衛生的で扱いやすいです。
※小豆あんは市販のものを使いましたが、小豆から作るときは、こちらをご参照ください。
■ 粒あん(作りやすい分量)
【材料】
小豆 250g、砂糖 200~240g、塩 少々
【作り方】
①小豆は洗って、たっぷりの水を加えて煮立てて、2回ゆでこぼす。
②たっぷりの水を加えて沸騰させ、中弱火でアクをとりながら炊く。指でつぶれる位に柔らかくなると、煮汁を捨て砂糖を3度に分け入れて水分をとばしながら、焦がさないように混ぜながら煮る。
③仕上げに塩少々を入れて混ぜ、しっかり冷ます。
今回使用したのはコチラ