- 今日(京)のおばんざいなぁに
- 2016.01.16
ごま香る 揚げ餅のお雑煮
年が明けてから、はや半月が経ちました。
「一月往ぬる(行く)」と言われるだけあって、はやいです。
さて、一月の陰暦の異名といえば「睦月」
睦月の語源は、いろいろあるようですが、
年始で、親族が集まり、仲睦まじくする月であるから、
という説が有力だそうです。
ちなみに、一月には、ほかにもたくさんの異名があります。
祝月、嘉月、初月、正月、元月、太郎月、初春、初空月、
初春月、献春…等など。
いずれも、おめでたそうなもの、一年の最初のもの、
という雰囲気の字ですね。
一年で一番たくさんお餅を食べる月なので、
「餅月」というのはないのだろうか、と思ったのですが、
「餅搗き」はあっても、「餅月」という言葉はないようです…
お餅というと、お正月にいただくお雑煮は、
地域によって、同じ「雑煮」とは思えないほど多種多様です。
主役のお餅も様々。
形は、四角い角餅と丸い餅。
主に東日本は角餅、西日本は丸餅文化。
お雑煮発祥の地と言われる京都の食文化の影響が強い地域は
丸餅のようです。
また、お餅の調理法も、そのまま、という所もあれば
香ばしく焼いてから入れる、という地域もあります。
あと、京都は白味噌仕立てですが、
西日本で優勢なのは、醤油味。
少数派ながら、赤味噌仕立てや、小豆のお雑煮の所もあります。
が、全国の過半数は、澄まし仕立てです。
また、具も、それぞれの地域の特産物…海産物や野菜などを入れ、
具だくさんのところもあれば、シンプルな具もところもあり。。。
京都の具は、頭芋(里芋)、大根、(にんじん)…
神仏にお供えするので精進。だしも、昆布だしです。
(いただくときにかつお節をかけることが多いです)
頭芋(かしらいも)は、里芋の親芋。
お正月の縁起物で、人の上に立つ「頭(かしら)」になるように
という願いをこめたものです。
長男は、頭芋を切らずに丸のままお雑煮に入れる、とも聞きます。
大きいほど喜ばれる、とも言われる頭芋ですが、
実際、お椀いっぱいになる大きな頭芋を、食べきるのは
ちょっと大変かと思います。。。
ちなみに、お隣の奈良は、同じ白味噌仕立てでも、お餅にきなこをつける、
とも聞きますし、同じ県内でも、場所によって違ったり、
家庭によって違ったり、お雑煮は、本当に興味深いです。
さて、
今回ご紹介するお雑煮は、揚げ餅に、すまし汁です。
揚げ餅は、ごま油でお餅を素揚げにするのですが、
風味、香りがとてもいいのです。
そこへ、だしのきいたすまし汁、しゃきっと食感のいい水菜。
そして、上にのせた「かぶらおろし」がふんわりと、
やさしい食感と風味を添えてくれます。
大根おろしでもいいのですが、「かぶらおろし」の方が、
水っぽくなく、辛みもなく、ほのかな甘みと風味。
消化を助ける酵素(ジアスターゼ)も含まれているので、
胃腸に優しい働きもあります。
残っているお餅があってもなくても、是非お試しください。
◆揚げ餅雑煮
【材料】(約4人分)
お餅 4個、 ごま油 適宜
小かぶ 1個、 (京)にんじん 3~4cm
水菜 1/2把、
A【だし汁(かつおと昆布の濃い目) 約4カップ、
うす口醤油 大さじ2、酒・みりん 各大さじ1、塩 少々】
白すりごま 大さじ1~2
【作り方】
1.にんじんは4、5mm巾の輪切りにし、梅型などで型抜きする。
小かぶもにんじんと同じように切って型で抜き、
残りはすりおろす。
2.水菜はさっとゆでて4㎝長さに切りそろえておく。
3.お餅は、やや低温に熱したごま油で素揚げにする。
(油は少なめでOK。160℃くらいで、かるく揚げ色がつくまで
ゆっくり揚げる)
4.Aを煮立てて、味を調え、1の型抜きしたにんじんとかぶ
を入れ一煮する。
5.お椀に3の揚げ餅を入れて、4をかけ、2の水菜と
1のかぶらおろしをのせ、上から、すりごまをかける。
※ お好みで、水溶き片栗粉でとろみをつけても美味しいです。
※ 柚子の皮、あるいは、おろし生姜など、お好みで添えても…。
【今回使用したのはコチラ】
(白)ごま油