- 今日(京)のおばんざいなぁに
- 2024.08.09
なすの利久煮
名ばかりの立秋が過ぎ、
依然と厳しい暑さがつづいています。
この夏を元気に乗り切るため、
夏が旬の野菜を積極的に食べるようにしています。
夏野菜には、身体の中にこもる熱を取る作用があり、
古くから暑気ばらいにいい、とされてきました。
きょうは、夏野菜の代表、なすを使って、
あつあつでも、また、冷たくひやしても
どちらでも美味しくいただける利久煮をご紹介します。
利久煮とは、ごまを使った煮物。
茶人の千利休が、ごまを使った料理を好んだとされる
ことからこの名がついたそうです。
=「なすのごま煮」ですが、「なすの利久煮」というと、
ちょっと風情がありますね。
利久煮?! 利休煮なのでは…と思われた方、
どちらも使われているのですが、
縁起を重んじる料理名では「休」の字を避けて「久」の字を
あてることが多いようです。
もう一つ、「利休」の名をそのまま付けるのは、
申し訳が立たない、恐れ多い…という意味もあるようです。
それはさておき、利久煮は、ごまの香りが食欲をそそり、
素材の持ち味を生かして、旨みや甘みが感じられる美味しい煮物。
淡白でクセのないなすは、利久煮にすると、
ごまの濃厚な風味で美味しさが引き立ちます。
とろけるようなやわらかななすに、ごまのコクが絶妙。
ご飯はもちろん、素麺にもよく合います。
素麺には、煮汁ごと使うと、そうめんつゆが
味わい深くなります。
今回は、なすの皮をむいて使い
なすの淡いひすい色を生かしました。
(皮は捨てずに、使います)
もちろん、そのまま(皮つき)でも美味しく作れます。
(なすの紫色がしみ出て、煮汁がややにごった濃い色になりますが…)
皮ままの場合は、皮に切れ目を入れると、味がしみやすいです。
残暑の時季に、是非作ってみてください。
だしにかつおなど動物性のものを入れず、昆布だしにすると、
お盆のおしょらいさんのお供えにも使えます。
なすの利久煮
【材料】
・なす 4コ
・エキストラバージンごま油 大さじ1.5
A
【だし 1カップ、みりん・酒 各大さじ2、うす口醤油 小さじ2】
・白味噌 大さじ1
・白ごまねりねり(白練りごま) 大さじ2
・白すりごま 大さじ2
【作り方】
①なすは、へたを切り落とし、ピーラーで皮をむき、縦半分に切る。塩水に浸けてアクを抜く(10分くらい)。
②鍋にエキストラバージンごま油を軽く熱し、水分を切ったなすを入れ、弱めの火で炒める。途中で返しながら5分程炒めると、Aを加えて、煮立つと中弱火で10~15分、なすがやわらかくなるまで煮る。
③汁気が少なくなると、白味噌、白ごまねりねりを煮汁と混ぜてとかし、全体にからめ、味をととのえる。すりごまも加えてざっと混ぜる。
④器に盛り、青味をそえる。(ゆでたオクラを添えましたが、枝豆、刻み青じそなど何でも‥‥)
※へたも皮も捨てずに!味噌汁の具や、きんぴらなどに使いましょう。