- 今日(京)のおばんざいなぁに
- 2025.03.18
花ぼたもち
春彼岸の時期となりました。
今年は春分の日が3月20日なので、
その前後3日間、17日から23日までです。
彼岸の入りの17日は、寒の戻りで、各地で冷え込み
雪が降ったところもありましたが、
彼岸の明けの23日頃には、また暖かくなるようです。
寒暖差の大きい時期、皆さまご体調にお気をつけください。
さて、
お彼岸に先祖供養をするのは、日本独特の風習です。
西方のはるか彼方に彼岸(浄土の世界)があるという
「西方浄土」の考えに基づいて、
太陽が真東から出て真西に沈む 春分の日と秋分の日は、
一年の中で、この世と(此岸)とあの世(彼岸)の距離が最も近くなる日
と考えられるようになりました。
そして、お彼岸にはご先祖様への感謝の気持ちを込めて、
季節のお花や果物、(和)菓子、精進料理、
また、故人の好物などをおそなえして、お供養します。
代表的なお彼岸のお供えといえば
ぼたもち(おはぎ)。
ぼたもちとおはぎは、キホン同じもので、
もち米とあんこのシンプルな和菓子です。
ぼたもちはこしあんで、おはぎは粒あん、
ぼたもちはもち米で、おはぎはうるち米… 等など諸説ありますが、
ぼたもち(牡丹餅)は、牡丹の花が咲く春のお彼岸、
おはぎ(お萩)は、萩の花が咲く秋のお彼岸、
というのが、風情があっていいなぁ~と思います。
それはさておき、いつのころからか、どんどん
ぼたもち(おはぎ)が、進化? … 多様化していっています。
ぼたもちと言えば、かつては、あんこときなこ。
あと、黒すりごま、青海苔くらいでしたが、
今はあんの種類が小豆あんだけでなく、ずんだあん(枝豆)、
さつま芋やかぼちゃのあん、抹茶あんやほうじ茶あん、
フルーツのあん等など、色目もカラフルになり、
もち米には雑穀や、ナッツが加わって食感や風味もいろいろ、
バリエーション豊かに多彩になっています。
また、白あんにいろいろな色づけをして、花のように
絞り出した、カラフルで薔薇の花のような豪華なぼたもちは
近年大人気のようです。が、
花びらのように美しくあんこを絞り出すのは、難しいです。
こちらは、ちょっと一工夫して、つばきの花を模したぼたもち。
一般的には、もち米+うるち米で作るところ、
道明寺粉を使いました。
道明寺粉は、関西風の桜餅でおなじみで
つぶつぶした食感で、もっちりした口当たり。
蒸したもち米を乾燥させたものなので、加熱時間が短くてすみ、
電子レンジを使うと3~4分加熱するだけでOK!(8個ほど作るのに)
簡単手軽にできるので作りやすく、また、
透明感があり、見栄えよく仕上がるので、お勧めです。
中のあんは、こしあんに黒すりごまを混ぜたもの。
ごまの香ばしさとあんがよく合い、道明寺の甘みや風味が
引き立ちます。
ひと手間、黄身あんを添えることで、
季節の生菓子感が高まり、作る過程も、工作のようで楽しいです。
つばきは木偏に春! 色んな品種があって冬から咲いていますが、
春を告げる花と言われていて、季語は「春」です。
春のお彼岸には、こんな変わりぼたもちを作って
お供えしてご先祖様に感謝の気持ちを伝えるのはいかがでしょう。
(道明寺を薄桃色に色づけたもの。桃色に着色した道明寺粉も市販されていまし、食紅少々を加えても…こちらは、ビーツのゆで汁を少々加えています)
花ぼたもち
【材料】(8個分)
・道明寺粉 100g
・砂糖 10g(約大さじ1)
・塩 一つまみ
・水 150㏄
・こしあん 150g(お好みで粒あんでも)
・黒すりごま 15g
・固ゆで卵の黄身 1/2個分
・白あん 30g
【準備】
・ゆで卵を作っておく。卵を水からゆでて15~17分で取り出し、水で冷やして殻をむき、黄身1/2個分を裏ごしておく。(ざるなどで)
【作り方】
①耐熱ボウルに道明寺粉と砂糖と塩を入れて混ぜ、水を入れてまんべんなく混ぜて少しおき、ふんわりラップをかけて電子レンジで3分30秒~4分加熱し、そのまま5~10分程蒸らし粗熱をとる。
②あんに黒すりごまをよく混ぜて、8等分してまるめておく。
③ゆで卵の黄身と白あんをよく混ぜて、ざるの網目を通す。
④①の道明寺を8等分してまるめてラップではさんで平たくし、②のごまあん包む。(包みにくいときは、下はあんが出ていてもOK)
⑤斜め上を少しくぼませ、そこに3を入れて、花のように仕上げる。
※くぼませるとき、ラップごしに、菜箸を1cmほどの深さにさしこみ、それから小指を入れて少しくぼみを広げます。
※真上でなく斜め上に黄身あんが入っている方が、表情が出ます(が、お好みですので、お好きなところに…)
※道明寺を電子レンジ加熱するとき、3分過ぎると取り出して様子をみて下さい(かたさ加減を味見する)。道明寺の粒が細かければ3分くらい、大きいと4分強かかることもあります。