- 今日(京)のおばんざいなぁに
- 2023.07.07
鱧の冷やし素麺
七月の京都といえば、祇園祭…なのですが、
2020年からは、コロナ禍で山鉾巡行や宵山行事が行われず、
縮小した形で行われていた祇園祭。
昨年は3年ぶりに山鉾巡行が復活しましたが、
7月中頃からコロナ感染が急拡大して不安な中の祇園祭でした。
今年は、山鉾巡行のほか、昨年は中止になった後祭の花傘巡行、
神事なども4年ぶりに開催予定です。
春にコロナ対策が緩和され、国内外から京都への旅行者は急増。
完全に近い形で行われる祇園祭を目当てに、たくさんの人が訪れ、
盛り上がりそうです。
とはいえ、今までのように大きく報道はされていないものの、
現在コロナ感染は徐々に増えていて「第9波」が始まっている…
といえる状況だとか。
夏に向けて人の移動や接触が増え、さらに感染が広がることが
懸念されます。
祇園祭は、そもそも平安期に京都で疫病が流行したときに
厄災の除去を祈願したことが起源、山鉾巡行は疫病退散の祈りを込めて行われたものです。
当初の祈りの気持ちを鑑みてコロナ禍の収束を願い、
伝統を継承していけるよう、粛々と行事が行われ、
最終日31日の「疫神社夏越祭」まで、すべての祭事が
無事行われることを祈ります。
さておき、祇園祭は別名、鱧祭。
鱧の旬が祇園祭の頃であることから来ているようです。
名産地の淡路島から祇園祭中の京都に鱧を届ける「鱧道中」という
行事もあるほどで、祇園祭のご馳走といえば「鱧」です。
鱧は生命力が強く、かつて流通が発達していなかった時代に、
京都まで生きたまま運ぶことができた貴重な魚。
たんぱくな白身でありながら、意外と脂質も多くて、
口に入れると独特の食感を感じながら旨みが広がります。
鱧は他の魚と違って小骨が全体にあるので「骨切り」が必要です。
小骨を一緒に食べることになるのでカルシウムたっぷり。骨や歯の健康維持に効果的です。
他にも、良質のたんぱく質やビタミン・ミネラル等々栄養豊富で、疲労回復、免疫力アップ、生活習慣病の予防など期待できるそう。
生命力の強い鱧は、夏の疲れやすい身体を元気にしてくれます。
鱧の美味しさを一番感じられる調理法は「おとし」かと思います。
「おとし」はいわゆる湯引き。熱湯を通し氷水で冷やして身をしめた、白い花のような外観。梅だれや辛子酢みそを添えることが多いです。
鱧のおとしは魚売り場に並んでいますが、結構値段が高いです。。。
骨切りした鱧を使って家で作ると、ずっとリーズナブルで、また
作りたては美味しいです。
今回は、七夕の時期なので、素麺と合わせてみました。
ごま油を混ぜたコクのあるつゆに、あっさりした鱧と梅だれ、素麺が
よく合います。
七夕を意識してオクラを添えましたが、きゅうりや、焼いた唐辛子など
とも相性がいいです。
旬の時期に 是非作ってみてください。
鱧の冷やし素麺
【材料】(2人分)
・素麺 2束
・骨切りした鱧 約1/2尾分
・昆布 5㎝角くらい(たっぷりの水に浸けておく)
・塩 少々
・素麺つゆ 適宜
・ごま油 約小さじ2
・オクラ 5本くらい
A【梅干し(大) 1個
みりん 大さじ1
醤油・酒 各少々】
・青じそ・みょうが 各適宜(せん切り)
・白すりごま 適宜
【作り方】
①鱧のおとしをつくる。鱧は約3㎝幅に切る。鍋に昆布を戻し汁ごと入れて沸騰させ塩を加えて、鱧を皮目を下に入れる(ぐらぐら煮たてず、静かにふつふつしているくらいの火加減)。1分程ゆでて身が丸まり火が通ると、さっと氷水にとってザルに上げ、水気を切り、クッキングペーパーで水分をふく。
②梅干しを包丁でたたいてペースト状にして、Aの調味料を加えて好みの味にする。
③素麺を表示通りゆでて、ザルに上げてよく水洗いしてから水を切る。オクラもさっとゆでて5㎜幅の輪切りにする。(素麺と一緒にゆでてもOK)
④器に素麺を入れて、①の鱧の落としをのせた上に②の梅だれをのせる。素麺つゆにごま油を混ぜてかけ、青じそとみょうがのせん切り、すりごまを散らす。
※鱧は一度にたくさんゆでると、一気に湯の温度が下がるので、何度かに分けてゆでるのがおすすめ。美味しく仕上がります。
※素麺つゆの作り方
だし1カップ強を煮立て、うす口醤油・濃口醤油・みりん・酒 各大さじ2弱を入れて煮立つと火を止め、冷やす。だしに、鱧の落としのゆで汁を足しても!
今回使用したのはコチラ