- 今日(京)のおばんざいなぁに
- 2022.08.24
夏の終わり~すだち素麺
今年は、8月23日が二十四節気の「処暑」です。
処暑の期間は、23日から次の節気「白露」の前日9月6日まで。
厳しい暑さがピークを過ぎて、暑さが和らぐ頃という意味の
処暑ですが、23日も猛暑日のところが多く、
厳しい暑さはなかなか収まりません。
今年は、梅雨明けがはやくて、6月下旬から記録的な猛暑となり、
厳しい暑さが2カ月以上つづいています。
ぼちぼち暑さが峠を越して過ごしやすい気候になってほしいものです。
この夏は、
京都では三年ぶりに五山の送り火が全面点火で行われました。
新型コロナの影響で昨年、一昨年と縮小開催が続き、
各山の点火は1~6か所に限られ、寂しい送り火でしたが、
今年は、本来の形に。
(如意ヶ岳の大の字は、本来75か所の火床があるのですが、昨年は、中心と端の6か所点火でした。)
ご先祖を送る火を絶やすことはできない、伝統技術を絶やすまい、
という保存会の人々の思いの火です。
点火の1時間ほど前から雨が降り始め、土砂降りに。
どうなることかと思っていたら、開始前にはぴたっとやんで、
定刻より少し遅れましたが、火が点っていきました。
「ご先祖様がこちらにいる時間を名残惜しんで、
ちょっと遅らさはったんやろか?」などと思いながら
見送った今年の送り火でした。
五山の送り火のあと、京都の夏の最後の行事は、地蔵盆。
地蔵盆のお地蔵さま(地蔵菩薩)は、子どもの守り神、
地蔵菩薩の縁日である8月24日を中心に行われる地域のお祭りが
子供が主役の伝統行事「地蔵盆」です。
私が子供だった頃は(もう半世紀も前のことになりますが…)
お地蔵さまを洗い清めて、お供えをしておまつりし、
子どもたちは、すいか割り、福引、ゲーム、肝だめしなどを楽しんだものです。
あと、輪になって直径2~3mの大きな数珠を廻しながら
お経を唱える数珠まわし。お供えのお下がりとして配られるお菓子。
皆が思い思いの夏らしい絵を描いた行燈…
夏休みの最後の思い出を彩る伝統行事です。
お地蔵さんのない地域は、夏祭りなど名前を変えて、
子供の集まる行事になっているようですが、
地域の在り方や生活様式がだんだんと変わってきて、
「地蔵盆」がない所も増えてきているようだし、また、
近年は、コロナの影響で休止になっているところも多いようですが、
ずっと続いてほしい伝統行事です。
(ちなみに、京都市では2014年に、地蔵盆を市独自の「京都をつなぐ無形文化遺産」に選んだそう)
さて、夏の終わりの行事を書いてきましたが、
きょうご紹介する一品も夏の終わりを感じるもの…
すだちを使った素麺です。
輪切りのすだちをたっぷり入れた見た目にも涼し気な一品。
これからが旬のすだちは、キリッとした酸味と清々しい香り、
料理に爽やかさと緑の彩りを添えてくれます。
すだちは、疲労回復効果のあるクエン酸やビタミンC、ポリフェノールを含み、
抗酸化作用で血液をサラサラにしてくれる、身体にいい柑橘です。
果汁の酸味が加わることで、塩味を控えても美味しく感じられるので、
減塩もできます。
皮には、レモン以上のビタミンCやカリウムが含まれます。
苦みが少ないので、薄切りにしてそのまま食べてもよし。
(皮ごと食べるのが抵抗ある方は、皮をすり下ろしても!)
素麺にごま油を混ぜていますが、さっぱり感にコクが加わり
風味がよくなることに加え、麺がくっつきにくくなり、
食べやすいです。
手軽な一品、是非作ってみてください。
すだち素麺
【材料】(2人分)
素麺 2~3束
すだち 4コ
素麺つゆ 適宜
ごま油 約小さじ1
白すりごま・青じそ・みょうが 各適宜
【作り方】
①すだちは薄い輪切りにする。
②素麺を表示通りにゆで、流水でよく洗ってざるで水気をきる。
③②にごま油をまわしかけて混ぜておく。
④器に③を入れ、上にすだちを敷きつめるようにのせ、全体に素麺つゆをかける。
⑤お好みで、白ごま+青じそとみょうがのせん切りを散らす。
※素麺つゆ作り方
・だし 1カップ強を煮立て、
・うす口醤油・濃口醤油・みりん・酒 各大さじ2弱を入れ煮立つと火を止め、冷やしておく。
【今回使用したのはコチラ】