- 今日(京)のおばんざいなぁに
- 2025.09.04
錦糸卵入り春雨サラダ
九月に入っても、残暑と呼ぶにはあまりに厳しい暑さです。
例年は、今頃の時季になると、日中は暑くても、
朝夕少しはしのぎやすくなっているのですが、
今年は、日中は焼けつくような炎暑、夜はうだる熱帯夜がいつまでも
続きます。
ただ、だんだんと日の出の時間が遅く、日の入りの時間が早くなり、
夜が長くなっていくところに、秋の訪れを感じます。
九月の和名「長月」は、秋の夜が長くなる「夜長月」が転じた
と言われています。
ちなみに、ほかの九月の別名は…
寝覚月(夜が長くなって寝覚めがちになる頃)
詠月(月を眺めて詩歌を詠む頃)
彩月(木々の葉や果物が色づく頃)
穂長月(稲穂が実る頃)
小田刈月(稲を刈り取る頃)
等など、風情のある言葉が多いですね。
ほかに「菊月」という異名もありますが、
これは、菊の花が咲く月のこと。
九月九日は、五節句のひとつ、重陽の節句(菊の節句)、
かつては菊を用いて行事がおこなわれていました。
ほかの五節句は、行事食とともにすっかりお馴染みになっていますが、
重陽の節句は、あまり知られていないかもしれません。
人日の節句(1月7日)は七草粥。
桃の節句(3月3日)はちらし寿司や菱餅。
端午の節句(5月5日)は柏餅やちまき。
七夕の節句(7月7日)は素麺。
そして9月9日の重陽の節句は、菊です。
菊は、古来、邪気を払う力をもち神聖な花とされ、
平安時代には、お酒に浮かべて酌み交わしたりして、
健康長寿、無病息災を願っていたそうです。
ほかにも、
菊の花を湯舟に浮かべた菊湯につかったり、
食用菊の花びらを献立に散らしたり…
いろいろな風習があります。
現在では、食卓で菊の花といえば、お刺身に添えてあるのを
見る程度、という方が多いのではないでしょうか。
わが家では、重陽の節句には、入手しにくい実際の菊は使わず、
菊に見立てた献立をひとつ、組み入れています。
きょうは、ご紹介するのは、
菊の花びらに見立てた錦糸卵を使ったサラダ(和え物)です。
いわゆる春雨サラダなのですが、錦糸卵が加わると
食欲をそそる美しい色合いになり、また、味もよくなります。
ごま油の風味が効いたたれは、混ぜるだけで簡単。
ごま油、醤油、酢、砂糖。
割合はほぼ同量です。
お好みで、甘みを控えたいときは砂糖を減らしたり、
酸っぱいのがお好みなら、お酢を増やしたり、
あっさりさっぱり食べたいときは、ごま油を減らしたり、
塩分を控えたいなら醤油を減らしたり…
と、臨機応変に加減してください。
きゅうりは水分を出ないよう、塩をふって絞ってから入れているので、
水気が出にくく日持ちするので常備菜にもなります。(冷蔵庫で2~3日)
たっぷり大皿に盛るもよし。
一人分ずつにして、上に錦糸卵を散らすと
ちょっと上品な雰囲気にもなります。
錦糸卵入り春雨サラダ
【材料】(2~3人分)
・春雨(乾燥) 50g
・卵 2コ
・きゅうり 1本
・かにかま 5本
・わかめ 適宜(乾燥なら1~2g)
A
【塩 2つまみ、砂糖 小さじ1、水溶き片栗粉 約大さじ1(片栗粉 小さじ1+水 小さじ2)】
・ごま油 少々
B
【ごま油 大さじ1、砂糖 大さじ1弱、酢 大さじ1強、醤油 大さじ1弱】
・白すりごま・白炒りごま 各小さじ1
・塩・こしょう 各少々
【作り方】
①春雨は表示のとおりにゆでて、ザルにあげて水分をきり冷ましておく。(長い場合は切る)
②卵を溶きほぐしてAを混ぜてフライパン(卵焼き器)にごま油を熱したところに流して焼いて、薄焼き卵を作り、細切りにする。
③わかめは戻して食べやすく切り、かにかまは軽くほぐす。
④きゅうりは細切りにして塩少々をふりかけて少し置き、水分をかるく絞る。
⑤Bを混ぜてすりごまも加え混ぜ、①~④の具を和える。器に盛って炒りごまを散らす。
※錦糸卵の卵の細切りは、お好みの細さに切ってください。今回は、食べ応えを出すためにやや太めに切っています。