- 今日(京)のおばんざいなぁに
- 2024.02.09
初午に~香ばし焼き稲荷
今年の初午(はつうま)は二月十二日。
初午は、二月に入って最初の午(うま)の日。
稲荷神社のお祭りの日です。
「お稲荷さん」と親しみを込めて呼ばれている稲荷神社は
日本で一番数が多い神社だそう。
商売繁盛で有名ですが、稲荷神はもともと五穀豊穣を司る神様です。
初午詣は、福詣とも呼ばれ、商売繁盛・家内安全・学業成就等を
願うたくさんの参詣者で賑わいます。
稲荷神社の総本宮は、京都の伏見稲荷大社。
近年は、外国人観光客で大いに賑わっています。
上の画像は、大きな鳥居をくぐると現れる楼門(重要文化財)、
神社の楼門としては最大級の大きさだそうで、美しい朱塗りが目を
引きます。豊臣秀吉が母の病気平癒祈願の御礼に造営したものと
言われています。
そして…
…有名な千本鳥居。
ずらっと並んだ朱色の鳥居は伏見稲荷を象徴する光景。
この絵画のような、見る人が心奪われる幻想的な景観が、
フォトジェニックなスポットとして、
とりわけ海外の人から人気が高いのです。
境内にはこの朱の鳥居が一万本以上あるそう、
祈願とその願い事が叶った感謝の印として奉納されたとか。
ちなみに、人の姿が見えないこの画像、
コロナ禍中の閑散なときに撮ったものです。
さて、
楼門の両側に狛犬ならぬ狛狐が見えるように、
稲荷大社の神様の使いは狐。そして狐の好物が油揚であることから
初午の日には、油揚げにすし飯を詰めたものが奉納され、
それが稲荷寿司の始まり、とも聞きます。
初午の行事食は、地方によって色々あるようですが、
京都では、稲荷ずし(お稲荷さん)をいただく風習があります。
尤も、初午は、毎年日が大きくかわり、早ければ2月1日、
遅ければ2月12日に当たります。
そのせいか、京都でも初午の日の稲荷寿司は、
節分の恵方巻のようには浸透していません。
初午の行事や食習慣を伝える稲荷ずし、作ります。
今回ご紹介する稲荷寿司は、油揚げを煮ません。
切った油揚げにいきなり寿司飯をつめて、
フライパンで香ばしく焼き付けて、
みりん醤油をからめるので、とても手軽です。
酢飯には、刻んだお漬物とすりごまを混ぜました。
こちらはすぐき(漬け)です。
すぐきに酸味があるので、すし酢はお酢が控えめです。
すぐき以外でも、たくあん等お好みのお漬物で作って
みてください。
油揚げを斜めに切って、三角に仕上げるのは西日本に多いそう。
東日本では、米俵に見立てた俵型が多いとか。
手作りのいいところは、好みの味、形に作れるところ。
酢飯の甘さ加減や酸っぱさ加減、たっぷりとか控えめとか…
お好みに合わせて、是非作ってみてください。
香ばし焼き稲荷
【材料】(約12個分)
・すし揚げ 6枚
・ご飯 1合分(約300g)
・すし酢
A【(米)酢 大さじ1と1/2、砂糖 小さじ2、塩 小さじ1/3】
・すぐき(あるいは、きざみすぐき) 100g
・白すりごま 大さじ2
・ごま油 少々
B【醤油・酒・みりん 各大さじ1】
【作り方】
①すし揚げは斜め半分に切って袋状にしておく。
②ご飯が熱いうちにすし酢をまんべんなく混ぜる。
粗熱がとれると、きざんだすぐき、すりごまを混ぜてほぼ12等分してラップを使ってまるくにぎっておく。
③①のすし揚げに②をつめて形をととのえ、口をつまようじでとめる。
④フライパンにごま油をあたため、③を入れてこんがりと焼く。Bを混ぜて鍋肌から入れてからめる。
※すし酢の分量は目安、甘さ控えめになっています。お好みの味付けでお作り下さい。